IRON THUMB「 ピ ッ プ 牢 屋 番 」 | |
定価2,000円で好評発売中。 |
IRON THUMB初の、プレスCD。2004年2月22日発売。 二十何曲か入ってます。 今回の売りは豪華なゲスト陣です。 ゲストの皆さんの顔ぶれにつきましては、「増補」の方にまとめてありますので、併せてご覧下さい。 |
* 収録曲目 *
01. 日曜大工は死の香り
02. 仮面ライダーヤクザ
03. アイキャッチ
04. 否
05. アイキャッチ
06. 救済戦士イエスマン
07. 土砂くずれ
08. 棚から落ち武者
09. アイキャッチ
10. 本当は恐ろしい徒然草
11. じじい稲妻ファイアーバード
12. アイキャッチ
13. 服装の乱れは心の乱れ
14. 濡れ落ち葉恨み節
15. 水上置換
16. 死んだ犬が置きっぱなし
17. アイキャッチ
18. 毒妊婦
19. 箸
20. みっちゃん
21. アイキャッチ
22. 稲作農家の謎
23. 釈迦ブギ
日曜大工は死の香り
作詞:太一 F. 太一 & 板橋実
作曲:板橋実
ハンマー、かなづち
ふりおろす
犬小屋を作るため
のこぎり、のこぎり
板をひく
犬小屋を作るため
雨に濡れてかわいそうな小犬を
お父さんが拾ってきたよ
「甲斐性なし!」
日曜大工は死の香り
ハンマーが眼窩を直撃
悲鳴もあげて倒れるお父さん
日曜大工は死の香り
雨上がりの青空に
鮮血が虹をえがいた
梅雨どき、雨漏り
アボリジニ
家中のパンがかびるんるん
おなべにコップが
水を受ける
家の中の方が雨足強い
雨に濡れてたあの日の小犬は
乾いた犬小屋で知らん顔
「恩知らず!」
日曜大工は死の香り
鬼瓦が眉間を直撃
悲鳴と共に屋根から落ちる
お父さんは死の香り
梅雨の合間の晴れ空に
点滴が運ばれてきた
仮面ライダーヤクザ
作詞・作曲 中坊俊平太
黒いベンツが若いもんを轢く
組の幹部を盾にして引き金を引く
力と技の小指が落ちる
他人の喧嘩で血が騒ぐ
ライダー ライダー
仮面ライダーヤクザ
(語り)
木下勇は、ヤクザである!
今日も黒いベンツ都内を疾走中である!!
「どけー、アホンダラがぁ!」
白いマフラー ヒトの首絞める
防弾ガラスの黒ベンツおよそ50トン
ビルの陰からトカレフ発射
堅気の人にはでこパンチ
ライダー ライダー
仮面ライダー
仮面ライダー
仮面ライダー ヤクザ
(語り)
恐怖!警視庁男!!
否
作曲:板橋実
救済戦士イエスマン
作詞・作曲:板橋実
お前が地獄に行く前に
救うことが俺の使命
いうこと聞かない悪い子に
俺が引導を渡すのさ
良からぬ企みあるところ
必ず俺が現われる
背中に背負った十字架が
まばゆく輝き変身だ
この世の全ての悪を
滅ぼすまで俺は負けない
この世の全ての悪が
俺の名前を呼ぶ
戦い続ける俺の名は
救済戦士
救済戦士イエスマン
「お前を殺すことが、俺の原罪なのだ…」
ある朝天使がやってきて
俺は戦士に選ばれた
断ることもできなくて
俺はイエスと言ったのさ
悪の存在をかぎつけて
体が勝手に変身だ
優柔不断な俺だけど
否応無しに変身だ
この世の全ての罪を
根絶やすまで俺は眠れない
この世の全ての闇が
俺を呼んでいる気がする
神の指令受けて戦う俺は
救済戦士
救済戦士イエスマン
「今日の地獄は明日の天国なんだぞ?」
戦い続ける俺の名は
救済戦士
救済戦士イエスマン
土砂くずれ
作詞・作曲:板橋実
どしゃくずれ どしゃくずれ
あぶないね あぶないね
かいすいよくじょうで
どしゃくずれ どしゃくずれ
あぶないね あぶないね
かいすいよくじょうで
棚から落ち武者
作詞:中坊俊平太&太一F太一+板橋実
作曲:板橋実
請負い仕事
まあるくしかくいお月様
あかるくちいさいお釈迦様
マルクス水着が眩しいね
きっとでかいにちがいない
土地から出ていけ
国から出ていけ
本家の嫁さんはにかみや
鼻に真珠のパパイヤ隠す
あかさたな 浜金谷
パラノイア 棚から落ち武者
止まると死んじゃう若頭
まぐろが運転 メカゴジラ
ジョルジュ・サンクの縄タイツ
きっと機械にはさまれた
土地から出ていけ
国から出ていけ
ほっけの嫁さん人柱
特殊インクでハイデルベルク
あかさたな 浜金谷
パラノイア 棚から落ち武者
本当は恐ろしい徒然草
作:IRON THUMB
ワシントンは、桜の木を切りました。
父親は、誰の仕業かと怒っていたけれど、正直に正直に告白する息子を許すのでした。
ある日、ワシントンの父親は、鳥達のための巣箱をかけようとして、不運にも倒れてくる木の下敷きになり、死にました。
「フハハ…。木登りの名人は、安全だと思うところに来てこそ一層注意するものだ」
「何奴!」
「吉田兼好。フハハハハ…」
「はっ。いない…」
名誉革命が起こり、オレンジ公ウィリアムがイギリスにやってきました。
国を追われたジェームズ二世は逆恨みして、刺客を放ちました。
しかし、護衛がたくさんいたので、暗殺は失敗しました。
「フハハ……。この国のオレンジは、良い柵に囲われておるのう。興ざめじゃわい」
「何奴!」
「人呼んで、兼好法師。フハハハハ……」
「消えた……」
じじい稲妻ファイアーバード
作詞・作曲:中坊俊平太
あれは稲妻 あれはじじい
あれはファイアバード あれはじじい
俺の嫁のじじいは 呆けているが
村の北のじじいは 呆けていない。
隣のひいじじいは 呆けているが
裏の家のばばあは 生きていない。
あれはホーリーライト あれはじじい
あれはアースクエイク あれはじじい
妙にでかいじじいが 壷を焼くが
小さすぎるじじいが 壷を壊す
嗚呼 紙おむつが 大地をゆるがし
嗚呼 総入れ歯が 空を飛んでゆく
服装の乱れは心の乱れ
作詞:中坊俊平太&板橋実
作曲:IRON THUMB
森の奥に住んでいる
俺達のロビンフッド
Yシャツに下はGパン
俺達のロビンフッド
この前買ったサンダルは
走ってて川に落ちた
サンダルは買い換えた
青と黒の高いやつ
森の中には店がないから
町まで買いに行くのさ
バスを待つのが面倒で
自転車を買ったのさ
一昨日買ったパーカーの
胸に輝く”NEW YORK”
ほしくて焦がれたパーカーは
Mしか売っていなかった
坂井本町字十番
そこを曲がればすぐ交番
悪を倒すと誓いつつ
背負っているのは矢筒
屋敷の中に住んでいる
俺達の悪代官
黒いマントにタキシード
口ヒゲも伸びる
ルームランナー買ったまま
物干しに使うママ
バスがこないと面倒で
落ち着きなくす先輩さ
心の乱れもたびたびで
裸で森の中ダビデ
ちょっとこ洒落た偽僧侶
もっとおシャレをしましょうよ
濡れ落ち葉恨み節
作詞・作曲:IRON THUMB
嫁が冷たい
孫娘が冷たい
鼠が腐る天井裏
家族から呼ばれることは
最近ない
濡れ落ち葉恨み節
骨が溶ける
魚が臭い
娘の体重が軽い
夜の生活どころか
昼の生活も
濡れ落ち葉恨み節
水上置換
作詞:板橋実&太一F
作曲:板橋実
午後二時
長袖白衣と水着に着替える
両手に持ったビーカーに
速やかに汗がたまる
プールサイドに入道雲
天気予報では今日も夕立
水面に移る君の姿
すでにゴーグルはつけていた
さあ、始めようか
僕たちの水上置換
どんな薬品混ぜようか
どんな気体を発生させようか
水槽に水を汲む手に震えがはしる
薬品を注ぐ二人は
自然と黙り込む
見えないものだからこそ
びんの中に閉じ込めた
だけど僕にはあの時
勇気が少し足りなかった
マッチを気体につっこんで
ポンという爆発があれば
たまっていた気体は水素
あの夏から幾度も年月だけが巡ったけれど
それでも僕は今でも
あの夏を思い出す
ひょっとすると君に会えるかも
淡い期待を胸に抱き
流れるプールで今日も水上置換する
流れる水の傍らで
プールサイドに僕が立ち尽くす
見えないものだからこそ
びんの中に閉じ込めた
だけど僕にはあの時
勇気が少し足りなかった
マッチを気体につっこんで
ポンという爆発があれば
たまっていた気体は水素
気体は水に溶けるかもしれず
空気より重いかもしれない
今ならばきっと確かめられる
見えないものを伝えられる
川越水上公園、川越水上公園……
死んだ犬が置きっぱなし
作詞・作曲:板橋実
行方不明だった僕の犬が
一週間ぶりに見つかったよ
国道沿いを散歩してたら
ああ 死んだ犬が置きっぱなし
自動車にはねられたのかな
間抜けな可哀想なやつだな
犬の天国は犬だらけかな
ああ 死んだ犬が置きっぱなし
毒妊婦
作詞・作曲:板橋実
入院の下見に
病院を訪れた
そこで彼女が見たのは
冷凍された赤ん坊
骨の髄まで黒い毒で
真っ黒けの赤ん坊
妊婦がドアを開けて
こちらへやってきた
笑った拍子に
お歯黒が見えた
看護婦がみな逃げる
窓を乗りこえ
看護婦はみな逃げる
闇夜にまぎれて
そして微笑む毒妊婦
婆さん転んであの世行き
ドブ川で泳いで
体中真っ黒だ
町の人に見つかり
病院に入れられた
そこで僕が見たのは
唇の黒いマタニティ
転ぶと流産
手塚治虫も難産
ひるんだ拍子に
こどもカタパルト
好きな人が逃げる
窓を乗りこえ
好きな人も逃げる
闇夜にまぎれて
そして微笑む毒妊婦
婆さん転んであの世行き
箸
作詞・作曲:板橋実
何を食べるか迷ったときに
皿の上を箸が迷い箸
どうしても先っぽが気になって
どうしてもくわえこんでしまう
くわえ箸
食べたいものが遠くにあるときに
器を箸で引き寄せる寄せ箸
はさむと崩れそうな食べ物だから
箸を刺して口に運ぶ
それが刺し箸
箸の使い方を学べ
食事中は行儀よくしろ
日本の美を意識しろ
俺を将軍と呼べ
下の箸は人差し指、親指の付け根と
薬指で固定する
上の箸は人差し指、中指、親指で動かす
箸から箸へと食べ物を渡す
火葬場のお骨でもあるまいし
渡し箸
魚の皮がうまい具合に
お箸にぺったりと貼りついた
舌と歯で何とかはがそうとする
なかなかはがれない
なめ箸
箸の使い方を学べ
食事中は行儀よくしろ
日本の美を意識しろ
俺を天皇と呼べ
みっちゃん
作詞・作曲:椎名かじん+板橋実
みっちゃん、みっちゃん 茜色した
みっちゃん、みっちゃん 帰りみちみち
みっちゃん、みっちゃん カバンの中に
みっちゃん、みっちゃん 憧れつめて
みちみち夢食んで
空の下で踊る
みっちゃんみちみち帰り道すがら
異国の宝もの握って駆け出した
草のにおいがどこまでもついてくる
風に流れてささやくように
ジャック・ラカンに憧れよせて
青いノートに落書きためて
みっちゃん、みっちゃん 空の色した
みっちゃん、みっちゃん 景色の隅で
みっちゃん、みっちゃん 黒板眺めて
みっちゃん、みっちゃん 空の色した
遠くに響いてく
列車の走る音
兄さん、母さん、ホントにさようなら
緑のインクで書かれた置手紙
黒い布を着て河原に出かけて
誰かが隠したきれいな石探す
背伸びをしても手が届かない
つぶやきをのせて雲が流れてく
みっちゃん、みっちゃん 夕闇の駅
みっちゃん、みっちゃん 誰もいない道
みっちゃん、みっちゃん 長い影揺れ
みっちゃん、みっちゃん オレンジ色の
空の下で踊る
空の下で踊る
稲作農家の謎
作詞・作曲:板橋実
犬がモーモー鳴いて
猫がニャーニャー鳴く
沈黙の春(清少納言)
稲を作る
八十八の手間と
五十二のサブミッション
千手観音が鍬を持って襲いかかる
農村にはつきものだぜ
トラクタービーム
空を見ろ
牛がキャトルミューティレーション
星の世界へ夢をのせて
「おおきなかぶ」の物語
影響されて、ロシアでは革命
今日はお祭りだよ
おみこしかついでよ
ボリショイ、ボリショイ
稲作農家は稲を育て
革命家は人を殺し
アボリジニは砂時計を見て不思議がる
稲作農家は稲を育て
科学者達は頭をひねり
博士はいきなり車椅子から立ち上がる
刑務所から逃げてきたアイツが
稲のもみがらをむいているぜ
脱獄者の脱穀
「おおきなかぶ」の物語
影響されて、ロシアでは革命
今日はお祭りだよ
おみこしかついでよ
ボリショイ、ボリショイ
悪の組織は怪人育て
革命家は友達殺し
哲学者はかかしを怖がり逃げ惑う
田んぼに映った青空に
なんだろう、ぽつりと浮かぶ
空飛ぶ円盤
まさかあいつが毎日毎晩
俺の稲をなぎ倒してるべか
許せないべ
釈迦ブギ
作詞:中坊俊平太
作曲:太一 F. 太一 & 板橋実
おいらの名前を知ってるかい?
ダイバダッタというんだぜ
甘いマスクに鉄の爪
粋でイナセな男だぜ
釈迦ブギ 釈迦ブギ
みんなで歌って踊ろうよ 釈迦ブギ
仏陀のうしろに置いてある
ヒラヒラするのはなんじゃいな
氷と書いた布の旗
寒空に氷小豆
釈迦ブギ 釈迦ブギ
氷で苦行さ 釈迦ブギ
川のほとりに置いてある
でっかい塊なんじゃいな
白くて大きな鼻と耳
腐乱した臭い
釈迦ブギ 釈迦ブギ
象さんの死体だよ 釈迦ブギ
おいらの名前を知ってるかい?
ダイバダッタと申します
乗馬ズボンに蝶ネクタイ
ヒゲはチョビヒゲさ
釈迦ブギ 釈迦ブギ 釈迦ブギ