Feb, 2003
如月十三日 (木)
仏像の資料が必要になったので図書館へ。
という話とはまったく関係がないが、妊婦の内臓で作った豚肉の燻製はハラミソーセージ。
如月十二日 (水)
リチウムのライブに行ったのだが、本八幡ルート14に着いてみたらちょうどライブが終わったところだった。
あの大物バンド・リチウムの出番が一発目で、五時半からやってるなんて誰が想像するのさ。
車内吊り広告で見かけたのだが、気志団ってそんなに人気あるバンドなのか。
そして、短ラン三人長ラン三人でバランスとってるなあとかそんなことを気にしている俺は馬鹿なのか。
総じて「気にしたら負け」という感じではある。……負けてんじゃん俺。
ドストエフスキイ「悪霊」をようやく読み終えた。一ヶ月かかった。
十九世紀中ごろ、自由思想にとりつかれた青年たちがおかす犯罪と失墜の物語である。
相変らず、ドストエフスキイに愚鈍な人間を書かせると、異常なまでに生々しい絵が浮かび上がる。
人の話を聞かない、聞いても理解できない、理解したら頭に血が上って見境がなくなる、などなど、母なるロシアの大地には
馬鹿ばっかり住んでんのか、とドストエフスキイを問い詰めたくなるくらいだ。
特に、冒頭に出てくるステパン先生は現実に日本にもいそうな類の人間で、それだけでも読む価値のある小説だ。
今でいうと自意識過剰の引きこもり中年。
粗筋ははっきり言ってどうでもよい。
「十九世紀後半まで拳銃で決闘なんかしてんなよ」などと、くだらないつっこみをしたくなってしまうこと請け合いである。
しかし人物描写には注目すべし。
巻末解説とかドストエフスキイ研究者の間では、ニコライ・スタヴローギンが重要人物として取り上げられ分析されているけど、
さっと一読した限りでは、ピョートル・ヴェルホーヴェンスキーの方が目立つし異常な人物のように感じられる。
大雑把に分析すれば、ニコライの抱える虚無感は現代日本に通じるものがあり、ピョートルの熱狂は逆にその辺で簡単に
見かけるものでもなくなっているので、奇妙に感じられる、ということだろうか。
ドストエフスキイ、ソルジェニーツィン、ソローキン、アクーニン、時代の流れや出自によってロシア人自身がロシア人を見る時の
まなざしにも大きな違いがあるということが、今の俺にとって最大の関心事である。
で、ドストエフスキイを一ヶ月がかりで片付けて、ようやく次の本にとりかかることができた。
岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてぇ」である。
元・岡山人としてぱっと題の意味は分かったのだが、中国地方の出身でもなければなかなか通じない題名ではないだろうか。
中身もなかなかきょうてかったけん、ホラー小説好きは読んでみるとよい。
坂東真砂子なんかよりもよっぽど面白かった。
日本人のホラー小説も、まだまだ捨てたものじゃないな。
読書する時間は電車に乗る回数と比例するので、正月前後の休み続きには読書の速度が落ちる俺であった。
ほしのふうた「なかよしちゃん」を購入。
相変らず好きな人以外にはなかなか通じない内容ではないだろうか。
割れ目原理主義者であるところの俺にとっては大満足の一冊だ。
「(絵の)頭蓋骨の形がおかしい」とか「割れ目の描き方が好きじゃない」とかそういうことはどうでもいいんだボケ。
はるおくん「エロまんがって本当に素晴らしいですね。」
おにいさん「そうだね。はるおくんの言ったように、エロまんがのどこが素晴らしいのか、みんなも調べてみよう。」
はるおくん「調べなかったら、野辺の送りだよ。」
おにいさん「じゃあまた、来週!」
如月十一日 (火)
十日ぶりにサイトの更新。
さぼっていてすまぬ。
「ライブ情報」を更新したほか、先日記したXPの話もちゃんとアップロードしたので、お暇な方のみどうぞ。
情報といっても、ライブをするわけではないんだけどな。
この十日間の間に色々あった。
アメリカはどでかい花火を打ち上げた。
自国人六人が死んだだけであんなに大騒ぎするのに、イラクは攻撃してたくさん人を殺すつもりでいるんだから、
まったく訳が分からない。筋が通らない。
一人を殺せば犯罪者で、一万人を殺せば英雄。そういうことか。
世界の警察官を自任するアメリカだが、言ってみれば、その警察が汚職まみれになってるようなものだ。
その一方で、肥満の原因としてマクドナルドを訴訟した人達がいたりして。
俺は、まず原告の姿を見てみたい。
太ってるんだろうなあ。
そして勝訴したらその金でビッグマックを食いまくったりするんだろうと思う。
訴状はコーヒーのしみだらけで安い油ベタベタだと思う。
両親が共働きで夜まで帰ってこられず、子供達はテレビを見ながらジャンクフードを食べ、肥え太る。
金がある奴は健康食品を買い、運動のためジムに通う。
その結果、貧乏な奴ほど太る。
そんな社会機構が確立されているアメリカ社会は怖いと思う。
貧乏人なのに、セックス以外にすることがあるのもすげえことだが。
今月の月刊チャンピオンを読んだら、「ワースト」が大変なことになっている。
武田好誠のアニキが****だなんてあんまりだぜ高橋ヒロシ先生。
今後の展開が心配で心配で心配で仕方ない。
映画「スターゲイト」を観た。
変なエジプト文化チャイルドふんどしポルノ映画だった。
エジプト人がこの映画を見たら、怒るだろう。
日本人が「パールハーバー」を見て怒るのと同じくらい、怒るだろう。
古代の超文明が遺した「スターゲイト」を通って異世界を冒険する物語なのだが、バートンの「プラネット・オブ・ジ・エイプス」を
ついつい思い出してしまううえに、バックドラフト。
科学者達は役立たずで二年間アメリカ政府からタダ飯を食わせてもらい、カート・ラッセルの息子の伏線はまったくの無駄で、
主人公の唱える「仮説」とはなんのことだったのかさっぱり分からぬまま幕を閉じたりする。
この映画を十数倍面白く(ダメに)したものが、「ハムナプトラ」であることは論を待たない。
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ4 天地覇王」を観た。
これはまあまあ面白かったが、アクションがよかったからであって、話の筋は何がなんだかさっぱり。
香港映画だから。
清朝末期とか義和団事件とか、時代背景としてはその辺。
そして獅子舞で龍と戦う主人公。
「スウォーズマン」で懲りずに、なぜまた香港アクションを見ているのか。
それは、主演の趙文卓が俺に似ているということで、友人がわざわざビデオ屋さんで借りてきてくれたからだ。
実際、笑っちゃうほどそっくりである。
以前このサイトのトップに趙文卓の写真を貼っておいたら、俺本人と間違われたほど。
「香港アクションなのに筋がある」という意味では、ジャッキー・チェンは偉大だな。
ルース・レンデル「死のカルテット」は、映画「ファーゴ」みたいな小説だ。
相変らず暗いルース・レンデル作品。
イギリスの小説家はなぜか文章が暗く湿っぽい印象がある。
全員がそうだとは言わないが、アメリカ小説家の派手さを身にまとっている作家は皆無だ。
さて、これは銀行強盗に襲われた弾みに銀行の金を持ち出してしまう、しがない地方銀行支店長の話なのだが、
犯罪小説であって推理小説ではない。
けど、ミステリーの賞を受賞。
その辺もよく分からないんだよなあ、ミステリー小説界って。
俺にとってはSFとファンタジーの境目以上に謎。
ANGRA / REBIRTHを改めて聴いてみた。
アルバムの品質の高さはすごいのだが、1stアルバムの癖のある音楽に比べると、素直すぎてひきつけられるものが少ない。
「曲中にいきなりビバルディ」を再びやってほしい。
無理か。
新任ボーカリストの声がアンドレ・マトスに似ていると思ったが。
SHAMANを確認してみると、現在のアンドレ・マトスはちょっとハスキー。
つまり新任ボーカリストの彼は、想像上のアンドレ・マトス(俺の好きなVIPER時代やANGRAの1st時代の)の声に似ているという感じ。
如月一日 (土)
みんなでMong Hangのライブを見に行こう。
という計画発生。
日時未定。
板橋実は「XPは使えない、XPはすぐ固まる」と常に言っていたが、自分が知らぬうちにXPを使っていたことに思い当たった。
じじつ、使いまくっているのであった。
という内容のことを、IRON THUMBのサイト内「バンドの紹介」の中に書いたので、暇な人は読んでください。
それから、今週一週間は忙しいのであまり更新できないかもしれません。
誰も期待してないでしょうが一応悪しからずご了承下さい。
週明けに、ぽこぺんさんのNo
Tengo Nadaにもリンクを追加する予定です。
映画「ビューティフル・マインド」を観た。
天才数学者の話だというから、天才ピアニストのヒルフゴット物語「シャイン」みたいなものかと思っていたら、本当にそうだった。
ボケを先読みして本当にそういう映画を作るなんて、ずるいぞ。
平たく言って、この映画は面白かったのである。
主演のラッセル・クロウがすこぶる良かった。
助演のエド・ハリスもなかなか良かった。
粗筋を説明する必要は特にないと思うから、書かない。
数学を志すものはもちろん、単なる映画好きにもお奨めする。
不二子不二夫A「劇画 毛沢東」、水木しげる「劇画 ヒットラー」、まんだ林檎「ケン&ジョー」を購入。
これで四千円近くの金を使い、その晩行くと言っていた飲み会に参加するのを急遽取りやめたため、一部で
人間関係に破損が生じ、現在復旧に向けて鋭意努力中である。
という嘘はさて置き、どれも良質のまんがだ。
いや……三番目のは全ての人にとって良質であるとは言い難いが、「天国の門」とか「コンプレックス」みたいないいお話の
系統を離れてギャグを描いても、まんだ林檎のまんがは質が高いと感心したのである。特にガマの油の話が。
要するに俺がまんだ林檎を大好きだということだが。
LOST HORIZON / A
FLAME TO THE GROUND BENEATHを入手。
前作ほどベーシストが弾きまくっていないのだが、相変らずテクニカル&パワフル。
この人は俺の新しいベースヒーロー。
アルバム全体の傾向として前作ほど速くないわけだが、それにも関わらずかっこいい(と俺は思う)。
ボーカリストの口癖の「ヘーイ!」というのも好きだ。
BEHOLDERはたぶん七人組。
ギター二人、ボーカル二人、ドラム、ベース、キーボード。
代表曲WISH FOR DESTRUCTIONのビデオクリップを見ていたら、このボーカルのうち、女性が非常にかっこ悪かった。
所在なさげ。腕、振りすぎ。
今までカッコイーとか騒いでいたが、ビデオを見て熱がかなり冷めた。