July, 2004

 

文月十八日 (日)

連日、面白いほど暑いな。
勤め先のある品川区では、光化学スモッグ注意報がしばしば発令されてるぜ。

 

文月十一日 (日) その二

「猫派? 犬派?」という質問をされても困るんですよね。

それで思い出すのが「血液型、何型?」という質問。
俺ァ血液型占いは信じていないので、困る。
信じていないというか、「A型だから几帳面」「O型だから大雑把」という分類をあてはめられるのが嫌い。
挙句「親がAとOだから、大雑把な面もあるA型なんだよね〜」などと言われた日には、そのまま仕事を辞めたくなる。

もしも血液型で人間の性格が決定されるなら、民族や肌の色で人間の性格が決まったって不思議はない。
俺がA型だから几帳面だなんて言える貴方はヒットラーにだってなれるだろう。
ユダヤ人、何人殺せるかな。

−俺の想像するそんな強制収容所−
「よいか、ドアに血液型が書いてあるッ。自分の血液型と適合する部屋に進めッ」
「なに、自分の血液型が分からんだと…。この大雑把で自分勝手な劣等民族めがッッッ。貴様はO型だッ」

Mレーシアあたり、挙国一致でO型だったりしそうだな。

血液型占いが科学的根拠に基づくと主張する人間は、是非RH+/-も占いの結果に反映させてみてくれ。
さあ早く。さあ。

インターネットで時々見かける「三国志占い」とか「元素占い」など、そこまで無茶なものになると、逆に好きだがな。
動物占いを始めとして、四柱推命が元になってる種類のは、罪のない範囲だと感じられる。


EDGUYの日本公演は最高だった。
悔しいが観客の入り具合、会場の雰囲気、ともに
U.D.O.の来日よりも良かったと思う。
前座
ガルネリウスへの客の反応もすこぶる良く、U.D.O.の前座のMASTERMINDよりも断然盛り上がっていた。
なので
ガルネリウスが少し嫌いになった。
彼らのライブは良かったけどPAがいまいちだった。
ギタリストのシュウ氏は歌が上手かった。

肝心の
EDGUYは、演奏も魅せ方も上手で非常に良かった。
トビアス・サメットの歌唱は、CD通り完璧というほどではなかったが、素晴らしかった。
髪の生え際と交換に歌唱力を得た、のかも知れない。
サメット氏はマイケル・キスクの大ファンに違いなく、ステージでの客との掛け合いも「FUTURE WORLD」のアレみたいなのがあったのだが、
HELLOWEENほどだらだらすることもなく、簡潔で楽しかった。

ここ三作からの曲が中心で、昔の曲をほとんどやってくれなかったのだけが残念だ。
「MANDRAKE」や「King of fools」よりも、「BABYLON」や「Wake up the king」の方が会場が盛り上がっていた。


ところで、なぜ日本人はdebutのことを「デヴュー」と書きたがるのかしらん。
単に間違ってるだけなのか、わざとVの音を使っているのか、気になって仕方がないが、本人には訊けない(京極夏彦とか)。

桃栗三年、柿八年、いちご白書はジェームズ・クネン。
「声に出して読みたい日本語」より

文月十一日 (日)

次の句点までに、
「グッドラック戦闘妖精雪風」の結末は人類に愛があり異生体ジャムにないということが作品の主題だったと開陳されるので、
これから読む人は次の句点まで読まないように注意されたし。

バレた。

というわけで人類の情動を理解できない侵略者と戦う戦闘機乗りの小説。
でも、不可解な存在=人間という描き方はP・K・ディックがやってたので、神林長平に書かれても今更なあ、という感じだ。
好きな人は好きなんだろうが、俺は好きじゃないな。
登場人物たちは英語で話してるという設定なのに、日本語でしか表せない表現の機微があることも気にかかる。
前の巻はそれでも無機的な侵略者との戦いが面白く読めたのだけど、続編となる今回はろくに出撃もせず会議ばかり開いており、
まったくもって
「幻魔大戦」みたいな小説だった。
これは頂けない。
口直しに「虎よ! 虎よ!」を読み始め、朝の山手線で早速興奮が止まらなかった、たまんねえぜやっぱSFはこうでないとな。

要するに俺はサイバーパンクが好きじゃないってことかもしれない。

平井和正の
「幻魔大戦」は、問題がまた別の領域にあるのだけれど。


九州に住む例の盟友からメタルCDを送ってもらったのだが、
OPETHがいくらなんでもかっこよすぎるだろう、これは。
やばい。すげえかっこいい。
急転直下、嵐の様な激情に襲われたよ。
OPETHがかっこいい。

ANNIHILATORの新作ももらったのだが、まあ、これは…いいや。別に。


桜井のりお「子供学級」一巻くどうひさし「シスパラ」永田晃一・高橋ヒロシ「Hey! リキ」購入。

去年の九月にドイツ旅行をしてきたわけだが、旅費の総額が二十万円程度だったことに、ようやく自分でも驚き始めている。
というのも、四月からやっと月給暮らしが始まったから。
二十万円あって友人が現地に暮らしていれば、二週間くらいドイツで遊べるものなんだなあ、手取りの一か月分強で。
高いのか安いのか。
そしてどちらにせよ遊ぶ時間が取れなくなってしまう月給生活。

職場では背景音楽を流すことが許されている。
幸福なことだ。
普段はR&Rやイラン音楽など、無難なものをラジオで流している。
たまにBeatlesやJamiroquaiもmp3で流す。
そんな日々だが、本日は、社員がいるにもかかわらず
Kamelotをかけるという冒険をしてみた。
社員からは何も突込みがなかったのだが、曲を聴いていると興奮してしまって仕事が手につかない自分を発見。
自主的にヘヴィメタルとりやめ。

エロゲー
「碧ヶ淵」で遊んでいるわけだが。
「たっちゃん、ぎゅ〜〜〜〜〜〜〜っ♪」というわけで、無論、御島せりに全部。
分かりやすい自分に乾杯。
俺の馬鹿馬鹿馬鹿。
これじゃあその辺の萌えヲタと同じじゃないか。
本質的に同じなのでどうしようもないわけだが。
一周終わって御島せりとハッピーエンドに落ち着き、もう他の人のお話は読みたくなくなったよ。
陵辱の場面もありそうだけど、そういうのは、もういいよ…。

ANNIHILATOR/Never, never landを二年ぶりくらいに聴いてみたら、かっこいいことこの上ない。
昔は、音が(King of the killに比べて)悪いのが気になってあんまり聴けなかったのだけども。
そうか…。この頃すでにANNIHILATOR様式は確立されてたんだな。
かっこいい。かっこよすぎる。
このアルバムに出てくる種類のリフに、俺はけっこう影響を受けているかも知れない。
あるいは、俺がもっとギターが上手だったらパクってたに違いないフレーズが満載。

 

文月四日 (日) その三

海賊を中心命題とした日本の或るバンドのライブを見た後で、
RUNNING WILDが聴きたくなった。
ちょうど、名作
「DEATH OR GLORY」が見つかったのでジャストプッシュプレイ
いやあ…熱い。
やはり
RUNNING WILDは最高だ。
ロックン・ロルフは三連符の曲を作るのが上手いなあ。
そしてこの頃のベーシストといえばもちろん
ヤンス・ベッカー
ツインギターの間からグリグリ聞こえてくる「漢」ベースが、また、たまらんのう。最高だ。
日本での黄金期(PORT ROYAL、Death or Glory、Blazon Stone)を支えたヤンス・ベッカーは、X-WILDを経由して現在
GRAVE DIGGERに在籍。

ベーシストといえば、再結成以降のGRAVE DIGGERを長年支えてきたトミ・ゲトリッヒ(b)とウヴェ・ルリス(gt)は新バンド
REBELLIONを結成したはずだが、
その後どうなったのかな。
アルバムを一枚出したのは知ってるんだが、買わなかった(その日は
PARAGONを購入したはず)ので、気になって仕方ない。

ヴァイキングといえば、
FALCONERの3rdアルバム「The Sceptre Of Deception」も入手したんだが、あんまり良くなかったな。
新ボーカリストはどちらかと言えばガナリ系で、前任者とはかなり毛色が違うんだが、それはそれで良いんだ。
ただ、曲があんまり良くないのが頂けないのだよ。
うーむ、残念。


J・P・ホーガン「造物主の掟」は、ハードSFというよりはユーモアSFではないかと思う。
炭素系生物が太陽系第三惑星で栄えるなら、無機物系生物が木製の衛星で栄えていてもいいじゃないか、という発想一発の傑作。
厳密に言うと、他の知性体によって作られた知性化機械群の物語だから、上の要約だとちょっとずれるのかな。
ともかく、枠組みだけ取り出せばディックが書いていてもおかしくない作品で、大変面白かった。
序盤は退屈なんだが、真ん中を越す辺りから非常に盛り上がる。

ルーディ・ラッカー「ソフトウェア」「ウェットウェア」を読了。
思考する仕組みを内包する自律的存在であるという定義をするならば、人間も機械も同じではないか。
という主題を据えた作品で、人間と機械がシッチャカメッチャカな闘争を繰り広げる。
月と地球を舞台とした、ドタバタ作品。
上のホーガン作品とも、主題の部分で多少共通する点があるように見えるが、作品単位で眺めると大違い。
主題が提示されて以降はドタバタが進行するだけなので、俺はあんまり好きじゃないな。
ジーターと同じく、ディック賞受賞の作家。

村上龍「ヒュウガ・ウィルス」を読んだ。
前作「五分後の世界」と同じく、高密度の日本語の嵐が襲い掛かってきて、対処する間もなく結末まで押し流された。
ヒュウガ村で発生したウィルス性疾患の原因を探るために日本軍と米国報道員が冒険するのが、この作品の大きな流れ。
米国人の目を通して語られる部分が多く、また、ウィルスのあり方についての解説も随所にはさまれるため、前作ほどの苛烈な印象はないが、
その代わりにヒュウガ・ウィルスに感染し苦しみながら死んでいく人々の描写が圧倒的である。
特にロシアン・マンボ。
結末で、キングの「ザ・スタンド」の疫病描写や椎名誠の「水域」の様な終末の展望が描かれて、物語が幕を閉じる。
希望を感じさせる前作との終わり方と対照的だが、解釈によっては最終的な日本の解放をも包含する最後でもあり、素晴らしい。


宮内由香「恋愛賛歌」
雑誌「エルオー」は好きじゃない俺だが、作家単位で見ると好きな人もいる。
この宮内由香とか。
絵柄がナヲコに酷似しているうえ、内容もナヲコ的なので気に入っている。
ただ、こういう種類のエロまんがは、「エロ」の部分がなおざりにされがちな傾向があるので、単行本を買う前には精査が必要だ。

先日買った
たまちゆき「つるぺた天使」は、日焼け少女の裸がエロくて良かった。と、アナル。
どうやら俺はスクール水着の日焼け跡が段々好きになってきたようだ。
昔はそんなに心動くものではなかったのだけど。

おがわ甘藍「秘密の女子寮」
二重マルで安定。
歴代の単行本の中では
「甘美少女」が一番好きかな、…「エンブリヲ」を除けばなっ。
復刊されないかなあ、
「エンブリヲ」

購入したばかりの
ほりほねさいぞう「ニクノアナ」だが、ひらがな名義で出してる割には結構エグい作品ばかり収録されていたよ。
それはそれで好きなんだが、まんが作品として好きなのであって自慰に供するには適さないなあ。

それと、
笹倉綾人「少女流幸福攫取論」だけど、下に書いたときは題名を間違ってたよ。
「摂取」じゃなくて「攫取」(かくしゅ)だった。
ワープロだと一発変換できない単語だ。

 

文月四日 (日) その二

先日のライブ本番では
CHROMING ROSEのTシャツを着ていた俺だが、あのシャツは日本に数枚あるかないかという珍しい品だということを
強調しておくのを忘れていたよ。
ただ、珍しいだけで特に価値があるというわけでもないのが悲しいな。
最悪との呼び声も高い四作目のときのシャツだからな。

三作目の
「PRESSURE」も、今になって聴けばなかなかかっこいいと思える。
早すぎた作品というか、転進の伏線がなかった故の失敗というか。
少しずつ変わっていけば、当時でもかなり受け入れられたに違いないと、信じている。
Nocturnal RitesBraintormが、徐々にその姿勢を転じたように。

たぶん、
CHROMING ROSEの不幸は、最初にEMIという大手からデビューしてしまったことにあるのではないか。

 

文月四日に生まれて

SEVEN SEASのサイトに、リンクを張りました。
このバンドのベーシスト、TAKAOさんとは奇妙な縁で知り合いました。
TAKAOさんもドンシャリ否定派、中音域強調型のベーシストで、しかもピックで素早いメタル曲をガシガシ弾くので、そんな
SEVEN SEASが大好きです。
ボーカルのけいいちさんがまた、歌が上手いうえにメタルについてかなり詳しいときてます。

それと、
「火蜥蜴」へのリンクを更新。


昨日知ったんだがトム・クルーズの誕生日は七月三日なんだそうだ。

A・浪漫・我慢「くわがた」購入。
この連載、始まったの四年も前だったらしい…。
そうか、つくばで万博やってたのはその頃か。
違うけど。
ともかくこの人のまんがはしっとりとした情感と絶望感とがあり、美しい。
風情というのもなんだか違うが、まあどう転んでも全員が幸せになる結末にはならない雰囲気が初回から前回なのが、やるせなくて好き。
別名義で描いている、甘ったるい作風も好きなんだが、やはり俺が最初に惚れたこの人の作品の魅力はそういう部分にあると思う。


エロゲー「うたわれるもの」についてだが、物語の結末以外はとても良かった。
と付け加えておく。
それまでの流れがとても良かったので、逆に結末の悪さが際立ってしまった、と。
しかし、自分ならどういう決着にしたか、と自問すれば、これは確かに難しい。
一番良い形の幕引きは、すでに
「バオー来訪者」(荒木飛呂彦)で使われてるからなあ…。

…そういえば仮面をつけて人間を超える力を得る、てのも
「ジョジョ」(荒木飛呂彦)のパクリだな。
無論、仮面は別のペルソナ(person=人格)を具える為の呪物でもあるわけだし、吸血鬼と化すなんていう設定があるわけでもないから、
一概に
「ジョジョ」のパクリだとは言えないけれども。
「ジョジョ」でなければ「アームズ」(皆川 亮二)のパクリか。ううむ。


たまたま新聞の番組欄を見ていて気づいたんだが、
http://www3.nhk.or.jp/anime/agatha/
これじゃあ
あんまりだ
ポワロとミス・マープルのどちらかにするか、完全にブチ壊すか、してくれないと。
恥ずかしくて、見ていられぬよ。
クリスティの遺族はどう言ってるんだろうか。

あっ、或いはガイナックスに作らせるという手もあるな。
それが面白いかも。
どちらにせよ、見たくはないが。

 

文月三日 (土) その三 食は文化

いくら俺がうどん好きだといっても、白米にはかなわない。
一番は白米だ。
うどんは「毎日食べても飽きない」ほど好きだというわけではない。
実際は週に四日くらい食べると飽きてくる。
本日木曜日は、「めしや丼」で昼食。
白飯を四杯平らげた。

水曜の朝、白米の備蓄を食べ尽くした。
夜、炊き込み御飯のもととか、海苔、レトルトカレーなどを購入。
さて米を買うかと米屋に赴くが、なんと目当ての無洗米五キロは売り切れ。
他も品薄。
土曜日には、色々と入荷するらしい。
ふむん。
ちょっと離れたもう一軒に行ってみる。
ここも売り切れ多数。
金曜日に入荷すると言う。
…早稲田一帯では密かに米不足、てやんでい、べらんめい、こんちくしょう。

「てやんでえ」は「(何を言っ)てやがるのだい」。
「こんちくしょう」は「この畜生」。
では、「べらんめえ」は何が崩れた形なのだろうか。
俺の語彙では、「ブライアン・メイ」が一番近い言葉だったので、

江戸弁に注目してみる。
もっとも有名なのは、「ひ」の音が「し」の音に変わってしまうことだろう。
「広島」が「しろしま」、「暇人」が「しまじん」になってしまう、という様に。
つまり町田ひらくがフランス大統領と同列に。すげえな。
ちなみに、フランス人に言わせると「町田イラク」になるな。
すげえのは江戸弁でもフランス人でもなく町田ひらく先生なのか。確かにそうかもな。

さて、米不足のせいで晩飯に食べる穀物がなくなってしまった、どうしたものか。
特に先程九十九円ショップで買ったチキンカツをどうしてくれよう。
足りない頭を絞って考えた末、食パンを買うことに。
98円、うほっこりゃあ安いやと思って勘定場へ持っていくと、178円。
どうやら98円は三枚分の値段らしい。
自分の目に騙された。
腹が立つ。
食パンにチキンカツをはさんで食べてみたが、ソースが無いのでパサパサして食べにくかった。
醤油をかけても事態は好転せず。
本日の食運は昼飯のときに使い果たしてしまった様子で、てやんでい、ブライアンメイ、こんちくしょう。

 

文月三日 (土) その二

黒丸尚という偉大な翻訳者がいる。
ウィリアム・ギブスンを始めとして、多くのサイバーパンクSFを翻訳した方だ。
他にも、ゼラズニイ等を訳してたと思う。
「?」の記号を「…」で、「!」の記号を「っ」で置き換えて訳す手法で有名。
なんでも外来の記号を使わずに純粋に日本語だけで表現をしたかったのだそうだが、それなら「…(三点リーダ)」なんかは外来の記号ではないのか知らん。
エクスクラメーションやクエスチョン・マークはいつ頃から日本に入ってきていたのかしら。

黒丸氏の訳文を読むときは、その疑問は常に抱えていたのだが、それはさておき、黒丸氏は偉大な翻訳家だと思い、尊敬している。
翻訳は本来、原文の薫りをなくさぬよう日本語に置き換える作業である。
そして、翻訳家の存在は極力感じさせずに、読者に日本語を読ませなくてはならない。
が、黒丸尚氏の場合は読んだ瞬間に訳者の存在がモロバレである。
そんな訳を発表し続けながらも、人気翻訳家として一線で仕事しつつ亡くなったのだから、これが偉人でなくてなんであろうか。

俺がここに書く文章でほぼ完全に「!」を使わないのは、じつに黒丸氏の影響である。
カタカナ語も、多くは無理矢理に訳している。
わざわざこう書かなくても、みんなにくみとってもらえるに違いない、と以前は思っていたのだが、俺が期待するよりも世間は俺の文体に無関心の様で、
文の内容はアレだが文体がなかなかいいねえと誰かしらに誉めて欲しいので、敢えて発表してみた。
浅ましい俺。


飲食店は、混むときは不思議と混むものだ。
俺は普段一時半くらいから昼休みを取る。
仕事の都合もあるが、そのくらいの時間なら飲食店も空いてくるからだ。
だが、時折二時頃にドカンと人が増えたりする。
特定の店に限らず、これは起きる。
本当に不思議だ。
駅の手洗い所でも似たような現象が起きるが、これは電車の発着と密接した関係があるから理解できる。


睦み合い、性戯、性交、そういったことを総称する隠語に「チョメチョメ」「ニャンニャン」があるが、さらに猫耳の概念を付け加えた
「ゆんゆん」をここに提唱するものである。
他に、「ゆんゆん」から肉欲を除いた概念を表す
「スイートらぶらぶ」も提唱しておきたい。
隠語を提唱すること自体が何かの間違いだろうけど、俺自体が何か間違っているので全体的には問題なかろう。

エロゲー「うたわれるもの」を完了。
掲示板にもひとしきり文句を書いたけど、このゲームの結末は本当によろしくない。
ひどいというわけではないけれど、俺が期待した水準には遠く及ばない。
同じ会社の駄名作「誰彼」と同じくらいに頂けない終わり方だった。
細部を指摘し始めたらきりがないので、それは割愛。

 

文月三日 (土) その一

先週の土曜日、IRON THUMBの三ヶ月ぶりのライブを行った。

企画に呼んで下さった出野さん、出演のきっかけを作ってくださったはまっちさんに改めてお礼を申し上げます。
ありがとうございます。
そしてサポートメンバーとして入ってくれた四人の方にもお礼を。
ありがとうございます。
最後に、けれど最低ではなく(直訳体)、ご来場してくださった皆様、及び土曜日に都合が悪くてこられなかった全ての皆様にお礼を。
ありがとうございます。

今回は入場券を千円で販売して、初めて入場料分の演奏をお客さんに見せることができたかな、と思った。
こないだの原宿ルイードは正直750円前後だったな、演奏面では。
定価でチケットを売ってごめんなさいと謝るしかない。
ただ、IRON THUMBは付加価値としてMCもがんばってるので、多少底上げはできてるという自負もある。
そんなバンドの在り方は歪んでいると自分でも思う。
演奏がきちんとできてこそ、MCだって活きるものだろう。
が、仕方ない。
ともかく、演奏で1000円分の楽しさを与えて、さらにMCでもお客さんに楽しんで頂くことができれば、それに勝る喜びはないと思う。
そのためには、まず自分達が楽しむことが重要かと。

このバンドを始めた頃は、とにかくどんな曲でも作るのが楽しくて、片っ端から録音して友達にテープを配るのが楽しくて、それがたまたま受けたからCDなんか
も作り始めて、歌詞を太一Fと俊平太の三人で作るのもまた楽しかった。
最近は三者の仕事の都合で互いにほとんど会えないので、音源作りはあんまり楽しくない。
ライブは、大学の友達にサポートとして入ってもらったので、楽しかった。
今後IRON THUMBはどうなるんだろうと他人事のように心配だ。

対バンの方がヘッドレス・ギターを弾いていたが、残念、Spiritだった。
※ Spirit…Steinbergerに似ているが、ネックが木製の廉価製品。

bondというのは接着剤、結束、盟約という意味なので、名詞化接尾辞-ageをつけてボンデージ、となるのかと思っていた。
ゴム製の服が肌に吸い付く感じがbondageという単語でうまく表現されているな、と勝手に納得していた。
だが、辞書を調べてみると、古語としてのbondには「隷属の」「捕らわれの」の意味があり、そこから派生してbondageが「農奴の境遇」「奴隷の身分」等となることが分かった。
分かったつもりでも、辞書で確認してみるものであるなあ。

ちなみに、bandとbondはcognate(同語族)である。

husbandという単語は、house + bondという成り立ちだということも判明。
これが家との盟約=家長制度を表しているのか、家庭への隷属=女系社会を表しているのか、ぱっと見じゃ言い切れないところがまた言語の面白いところ。

「愛情」とは常に俺のヘヴィメタルに対する情熱のように激しく熱いものかと思っていたが、それ以外の種類、付かず離れずで水の様な種類の愛情もあるのだと
ここ数ヶ月でようやく自覚するようになった。
思えば、自分だってそういう愛情をたたえて暮らしてきたわけだけど。


MAINSTREAMのライブを見てきた。
ここのドラマーのユッキー氏は、IRON THUMBのサポートで叩いてくれたナイスガイだ。
沼袋に新しくできた「サンクチュアリ」というライブハウスだったのだが、今回のPAの腕前が悪くて、MAINSTREAMの舞台を楽しむことができなかった。
音のバランスも悪かったし、MCの間もリバーブが入りっぱなし。
おまけに照明もかなりの下手さ加減を披露。
ピンスポットは、ソロを引いているギタリストに当てるものだということは中学生でも分かることだと思う。
PAもライティングも、ESPの生徒に違いない。

さてMAINSTREAMのライブだが、いつの間にか「海賊」を標榜するバンドになっていたよ。
RUNNING WILDのことを知ってか知らずか、海賊。
ロックン・ロルフは独逸メタル界でも屈指の船長だが、MAINSTREAMは船頭多くして船を山に登らせたりしないように気をつけないとな、とクーラー効き過ぎの
ライブハウスでぼんやり考えたよ。
曲は「絆」とか「ロザリー」とか言ってる割に衣装が海賊なので、現状では正直意味が分からない。
ピークォド号では、最後に生き残ったのはただ一人だったぞな。
ドイツなら海賊=ヴァイキング。日本では海賊=水軍。
そして大陸沿岸では倭寇だが、がんばれMAINSTREAM。

演奏自体はすごくかっこよかった。
特に、叩きながら歌うユッキー氏の勇姿は、一見に値すると思う。
非常にかっこいい。
曲もけっこう良い。
ただ、どこがどうと表現はできないんだけど、なんだか一本調子の曲ばかりな気がする。
メリハリがないっていうのかな。
CD音源で聴くと、すごくかっこいいんだが…。

そしてチラシに誤字脱字が多かった。

MAINSTREAMの対バンの方がヘッドレス・ベースを弾いていたが、残念、Spiritだった。
しかしSpiritでもいいから、ネックの状態の良いヘッドレスが欲しい。と、少しだけ思った。


先日、吉祥寺クレッシェンドで或るバンドの音源を買った。
演奏も上手いし歌も上手い、かなりかっこいいが歌詞がイマイチ。
表現したいことは分かるのだけど、リズムに乗っていない。
単語の強弱を綺麗に並べていかないと、どうしても「日本人の英語」になってしまう。
今も昔も、そういうバンドが多いので…まあ、多くてどうこう言うつもりはないのだが、ともかく、其の音源を出してたバンドは、そこさえ改善すればとりあえず
欧州ツアーしてきて欲しいくらいかっこいいと思うので残念だ。

歌詞がものすごいところで切れていても許されるのは、チャック・シュルディナーの
DEATHくらいなもんだ。

 

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